第14章

紬は黙って、手にしていた絵を引っ込めた。

神崎吉弥は込み上げる苛立ちを押さえ込み、言い聞かせる。

「美波。妹がプレゼントをくれたのは、仲よくしたいからだ。人を突き飛ばすのはよくない」

床に転がった、壊れた人形へ視線を落とし、思わず眉をひそめる。

拓海の子は、とにかく甘やかされて育った。少しでもきついことを言えば、すぐ泣いて騒ぐ。

案の定、美波の目にたちまち涙が溜まり、地団駄を踏んで叫んだ。

「いらない!」

紬は勇気を振り絞り、絵を差し出す。

「お姉ちゃん、泣かないで……これ、紬からのプレゼント……」

美波は絵を一瞥すると、紬を乱暴に突き飛ばした。

「誰がこんなボロいのいる...

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